2009/07/20

林芙美子

ああ二十五の女心の痛みかな
遠く海の色透きて見ゆる
黍畑の立ちたり二十五の女は
玉蜀黍よ、玉蜀黍
かくばかり胸の痛むかな
二十五の女は海を眺めて只呆然となり果てぬ。
_____「放浪記」より