2012/12/26
2012/12/24
2012/12/22
坂口安吾
私は「家」というものが子供の時から恐ろしかった。それは雪国の旧家というものが特別陰鬱な建築で、どの部屋も薄暗く、部屋と部屋の区劃が不明確で、迷園の如く陰気でだだっ広く、冷たさと空虚と未来への絶望と呪詛のごときものが漂っているように感じられる。
_____「石の思い」より
_____「石の思い」より
2012/12/15
2012/12/14
寺田寅彦
日本の山水美が火山に負うところが多いということは周知のことである。国立公園として推された風景のうちに火山に関係したもののはなはだ多いということもすでに多くの人の指摘したところである。火山はしばしば女神に見立てられる。実際美しい曲線美の変化を見せない火山はないようである。
2012/12/13
2012/12/12
寺田寅彦
鉛をかじる虫も、人間が見ると能率ゼロのように見えても実はそうでなくて、虫の方で人間を笑っているかもしれない。人間が山から莫大な石塊を掘りだして、その中から微量な貴金属を採取して、残りのほとんど全質量を放棄しているのを見物して、現在の自分と同じようなことをいっているかもしれない。
2012/12/01
2012/11/27
2012/11/23
2012/11/22
2012/11/04
2012/11/03
2012/10/24
フランツ・カフカ
あいかわらず無益に六時半まで工場で働き、書類を読み、口述し、報告を聞き、報告を書いた。そしてそのあとのあいかわらずの無意味な満足感。頭痛。よく眠れない。外の空気にあたる暇もなさすぎた。
_____『日記』1915年より
_____『日記』1915年より
2012/10/13
2012/10/06
2012/10/01
2012/09/25
2012/09/11
2012/09/07
2012/09/06
2012/08/30
フランツ・カフカ
道ははてしなく長い。すこしばかり引いても足しても変わらない。それなのに、だれもが自分のちっぽけな物差しをあてて量ってみようとする。
_____『罪、苦悩、希望、真実の道についての考察』より
_____『罪、苦悩、希望、真実の道についての考察』より
2012/08/27
2012/08/25
2012/08/18
2012/07/26
フランツ・カフカ
建築術は、これからは大きな進歩をとげるであろう。われわれが一年かかる工事も、百年後には半年でできるようになる。おまけにもっとすばらしい永続的な建築がつくられる。だとすると、いまからあくせく工事する必要など、どこにあるだろうか。
_____『市の紋章』より
_____『市の紋章』より
2012/06/02
2012/04/25
グレン・マーカット
建築として建っているもの、もしくはこれから建てられるようにデザインされたすべての建築は、つくり出されたものでなく、見出されたものだと言える。
建築の本質的な主題は、人間であり、その歴史と文化である。空間、光、素材をどうつなげて建てるか。土地への責任。良いデザインとは、これらを理解してその答えを見つけるまで模索を続けることである。建築とは、見出す過程そのものである。
創造するのではなく、発見すること。建築は発見を重ねることであり、それは私には大切なことです。
建築の本質的な主題は、人間であり、その歴史と文化である。空間、光、素材をどうつなげて建てるか。土地への責任。良いデザインとは、これらを理解してその答えを見つけるまで模索を続けることである。建築とは、見出す過程そのものである。
創造するのではなく、発見すること。建築は発見を重ねることであり、それは私には大切なことです。
2012/04/01
2012/03/18
2012/02/26
ロラン・バルト
ラカン的な主題が、私に東京の市街を思い起こさせることは全くない。けれども東京は、私にラカン的な主題を思い起こさせる。すなわち、私が観念から出発して次に観念に似合う映像を見つけることは稀である。私は官能的な対象から出発し、その後その対象に相応しい抽象形式に巡り合うことを期待する。
2012/02/19
2012/02/18
2012/02/08
東山魁夷
私は、いま、波の音を聴いている。それは永劫の響きといってよいものである。波を動かしているものは何であろうか。私もまた、その力によって動かされているものに過ぎない。その力を何と呼ぶべきか私にはわからないが。
_____「風景との対話」より
_____「風景との対話」より