私の妹はチョコレート色のボディが可愛い、スズキのラパンという軽自動車に乗って、毎日保育園へと向かっている。
私の姉妹はともに保育士である。二つ上の姉は結婚を機に保育士を辞めた。現在は今年で2歳になる息子の子育てに追われながら、新居を構えるため夫と家づくりの勉強をしている。
一方二つ下の妹が保育園で担任をしているのは1歳児たちである。甥と姉夫婦は愛知県で暮らしており、私が甥の成長を見られるのはごく限られた機会しかない。そんな甥の成長を、妹が夕食時に話してくれる園児たちの日常生活での仕草と重ね合わせることは、私の密かな楽しみである。
しかしこの日話題に上がったのは園児たちではなかった。なんでも妹の車によく鳥の糞がかかるのだという。
妹の車は普段我が家の車庫に収められている。
その車庫は桁行4間、梁間2間半で、外壁も屋根もトタン覆われた小さな小屋である。
そのうち桁行1間半は納戸となっており、普段使われない生活道具や、兜やひな人形、鯉のぼりなどが収まっている。
そして鳥の糞がよくかかる部分の真上には太い梁がある。ここに鳥がとまっては、糞を落としているのであろう。
そういえばかつてこの納戸の屋根裏に野良猫が何度も住み着いてしまったことがあった。その猫が子猫を産み出したことに困り、屋根裏は妻壁でふさがれ、それきり猫は来なくなった。
居心地の良過ぎる車庫というのは、なかなか考えものである。