2011/06/26

正岡子規

電信の柱にあつし蝉の声
_____明治26年

2011/06/25

萩原朔太郎

雨景の中で
ぽうと呼吸《いき》をすひこむ霊魂
妙に幽明な宇宙の中で
一つの時間は消抹され
一つの空間は拡大する。
_____「蟾蜍」

中原中也

農家の庭が欠伸(あくび)をし、 道は空へと挨拶する。 私の心は悲しい……
_____「 冬の明け方」

萩原朔太郎

人が家の中に住んでるのは、地上の悲しい風景である。
_____「家」