外の日差しの強さが否応なく去年訪れた伊勢湾・答志島を思い出させた。
しかしカレンダーを見ると去年の答志島滞在から一年と2週間が過ぎていることに気付く。
現在の住まいである静岡県御殿場市と三重県答志島は同じ東海地方だが、御殿場市ではあの路地空間から直角に差し込んでくる太陽や、路地から家へゆっくりと入ってくる潮風は存在しないのである。
答志島滞在中、島民のゴミ捨て日の光景を見る事ができた。
朝七時に大きな切妻屋根の倉庫の中へ、集落の人々が一斉に突撃し、細かく分別していく。
仕分けをする役の人たちが10~20人程おり、可燃ゴミ以外に、ペットボトル・発泡スチロール・紙・プラスチック・アルミ缶・スチール缶・電球・電池・ビン類・その他缶類と書かれた札が下がっていた。
分別の際の皆の手際の良さと勢いは、一度見なければわからないであろう。
そのくらい、離島で発生したゴミの処理は重要なものなのである。
答志島の共存の仕組みはセコと呼ばれる路地空間とそれにつながる住居に表れていると語られてきた。
しかしその日の朝、私はこのゴミ捨て場である倉庫に、朝日に照らされた聖堂を見出し、赤鉛筆でスケッチをしていた。