全身に何かを感じ目が覚める。外はまだ暗いようだ。急いで上半身を起こし、周りを見渡す。布団からは出ない。本棚の上に置いていた小さな額が倒れる。部屋がミシミシという音を鳴らす。ついに来たのかも知れない。この部屋でこれほど軋むのは初めてである。これで東海地震が終わるのなら、揺れきって欲しい。地震が収まって、部屋を出る。向かいの部屋の妹が出て来た。母も出て来て、居間へ。弟は部屋から出ず、起きているかもわからない。祖母も座敷から出て来た。急いでテレビをつける。どの局でも地震の速報をやっている。対応が非常に速い。
父は前日から予報されていた台風で電車が止まるのを恐れて、職場のある熱海に泊まっていたが、結局台風は逸れてしまい、代わりに地震で電車が止まることになった。妹は仕事へ出るまでの時間が中途半端に空いてしまい、二度寝するか迷っている・・・。
2009年8月11日午前5時7分に、駿河湾沖を震源地とするマグニチュード6.5の地震が起こった。気象庁の発表によると、今回の地震は東海地震ではないという。
上の文章は、その地震の際に私が静岡県御殿場市で体験した、震度4の記述である。もし震度6や7といった地震が起きた時この記述がどのようになるのか、一度想像してみることは決して無駄ではないであろう。