2011/01/10

明治神宮

田口邸

村上春樹

自分に同情するな。それは下劣な人間のやることだ。
_____「ノルウェイの森」より

初雪に滑るタイヤと我が心

出雲大社の改修

朝、会社へ向かう車中でラジオを聴いていると、こんなニュースが流れた。
「およそ60年ぶりに国宝の本殿の改修などを行う遷宮が進められている島根県出雲市の出雲大社で、本殿の大屋根に新しいひわだをふく作業が始まりました。
出雲大社では、3年前から国宝の本殿の改修が行われていて13日からは、585平方メートルある本殿の大屋根に、新しいひわだをふく作業が始まりました。作業では、「葺(ふ)き師」と呼ばれる4人が、屋根の周りに組まれた足場に乗り、水につけて軟らかくしておいたひわだを、竹製のくぎを使ってふき付けていきました。出雲大社の本殿に使われるひわだは、一般的な神社に比べて2倍から4倍も長いものが使われ、最も長いものは4尺、およそ1メートル20センチにもなります。葺き師たちは、扱い慣れていない長いひわだを丁寧にふいていました。この作業は、来年の2月まで続くということです。葺き師の高平勝也さんは「1枚のひわだが長いぶん難しい作業が続いています。4尺のひわだは、ふいたことがないので、楽しみな反面、どんな作業になるか想像がつきません」と話していました。」
60年という歳月は、職人の技術や、ひわだという材料を継承することができるようだ。
しかし、最後の「想像がつきません」という職人の言葉から察するに、想像力を継承するということは非常に困難なことなのかも知れない。

2011/01/03

年賀状

岡潔

数学とは生命の燃焼であります。

船橋の初日の出

お弁当の箸

私は毎朝6時半前に家を出ている。
私が「行ってきます」と言う少し前に、いつも母が慌てて包んだ弁当箱と、レモンティーの入った水筒を渡してくれる。
母の作る弁当は高校生の頃から変わっていない。
それはおにぎりとタッパーに入れた少しのおかずという組み合わせで、当時私がそうして欲しいと希望したことから始まった。
この弁当の利点は、おにぎりを食べるとその分弁当の嵩が減ることである。また、早弁や遅弁にも自由に対応できるところがとても気に入っている。
ちょうど1年ほど前のとある朝も、私は変わらず母からそっけなく弁当を受け取り、ろくにお礼も言わず車へと乗り込んだ。
そして昼になり、弁当の包みを広げると、そこにはいつもとは違う箸入れが添えてあった。
それは普段の半分ほどの長さであった。中を開けると箸の柄が二つに分かれ、つなげて使うタイプのものであることがわかった。
誰が言った訳でもないのに、母は食後に自然とコンパクトになるこの弁当の利点を察し、買い換えてくれたらしい。
次の日、母がいつものように弁当を渡してくれた。
私は母に聞こえないように小さな声で、「ありがとう」と言って家を出た。
それから一年経った今、その箸のつなぎの部分は、摩耗して柄がすぐに取れてしまうようになってしまったが、私の「ありがとう」という言葉も、同じように摩耗しているのだろうか。